ハワイの公式言語は「英語」と「ハワイ語」
ハワイでは、英語とともに公式言語とされているのが「ハワイ語」。2カ国語が公式言語になっているのはアメリカ合衆国の中でもとてもめずらしい事象です。
ハワイ語とは、もともとネイティブ・ハワイアンが使用していた言語です。当時のハワイには「文字」が存在しなかったため、歌やチャント、踊りなどを通じてこの言語を後世へと伝えてきました。
ハワイの人々によって大切に守り伝えられてきたハワイ語は、現在も、ハワイの街のあちこちで耳にしたり、通りの名前として目にすることも多い言葉。発音はローマ字読みに近いので、日本人にも馴染みやすい部分があるかもしれません。
今回は、その優しい響きと、短い単語のそれぞれに込められた深い意味についてご紹介します。癒やしや前向きな気持を感じさせてくれる、ハワイ語。特別な癒やしを感じる“いい言葉”の数々を心に刻めば、日常生活まで豊かになりそう。ぜひチェックしてみてくださいね。
あらためて、「ハワイ語」とは?
「文字」を持たず、歌や踊りで伝えられてきたハワイ語
ハワイ語とは、もともとネイティブ・ハワイアンが使っていた独自の言語です。タヒチ語などと同じ系統の「ポリネシア諸語」に属する言語とされています。
当時のハワイには言葉を表記する「文字」が存在しませんでした。そのため、人々の間での情報伝達の手段は「口承」のみ。詠唱(チャント)に合わせた「フラ」が重要とされ、大切に受け継がれてきたのはそのためです。また、古代から伝わられているハワイの歌は「メレ」と呼ばれ、その歌詞の中にはハワイの歴史やカルチャー、人々の生活などが表現されています。
ハワイ語の歴史
そんな大切な、ハワイアンの母国語であるハワイ語。長い歴史の中で、1893年のハワイ王朝転覆などをうけ、1896年には公立学校でのハワイ語使用が禁止されるということもありました。それでもハワイの人々はハワイ語に込められた伝統、文化を大切に守り伝え続けてきました。
1970年代になると、ハワイアンルネッサンスの動きが活発になり、ハワイ語教育の見直しがなされていきます。現在では、ハワイ語を話す若い世代も増えて、あらためてハワイ語の持つ意味、そしてその魅力が再認識されています。
ハワイ語のアルファベットは12文字
ハワイ語のアルファベットは、5つの母音(A、E、I、O、U)と7つの子音(H、K、L、M、N、P、W)、そして「オキナ(‘)」「カハコー(¯)」と呼ばれる記号で成り立っています。読み方は基本的にローマ字読みに近いのですが、実際はWの発音がVに近いなど微妙な違いがあります。
心に響くハワイの単語を学ぼう
古代ハワイアンが、この美しい島の自然や文化、人々の気持ちなどを、歌や踊りに託して伝承してきたハワイ語。だからこそこの言葉には、特別な想いが込められているのかもしれません。
最も知られるハワイ語、「ALOHA」の意味とは
たとえば、圧倒的に知られているであろうハワイ語「アロハ( aloha )」。愛情、思いやり、など様々な意味を持つ言葉で、「こんにちは」、「さようなら」などの挨拶の言葉としても多く使われる言葉です。
この言葉の1文字づつには、下記のような想いが込められていると言われています。
A akahai アカハイ(思いやり、優しさ)
L lōkahi ロカヒ(調和、協調性)
O ʻoluʻolu オルオル(心地よさ、思いやり)
H haʻahaʻa ハア ハア(謙虚さ)
A ahonui アホヌイ(忍耐強さ)
また、ALOHAは「alo(アロ)」と「ha(ハア)」の二つの言葉が組み合わせられてひとつの言葉になった、とも言われていて、「正面に向き合い、お互いの生命の尊さを確認しあって息をする」という意味を持つという説もあります。
ネイティブハワイアンの時代から受け継がれる、優しさ、温かさ、誠実さが込められた「アロハ」。ハワイの人たちの心と精神の調和を表すとも言われる「アロハ・スピリット」も、この言葉の意味を深く感じる言葉ですね。
フラ音楽やハワイアンジュエリーにも「ALOHA」があふれる
ですから、フラミュージックをはじめとするハワイアンミュージックの歌詞や、ハワイアンジュエリーに刻まれる言葉にも、ハワイ語のALOHAはあふれています。ちなみに「Me Ke Aloha(メ ケ アロハ)」は「愛を込めて」という素敵なワード。「Kuʻu aloha(クウ アロハ)」は「私の愛」を表します。
ハワイアンジュエリーには、自分の好きな言葉を彫ってくれる場合もあるので、ありったけの愛を込めたお気に入りの言葉を選んでみて。指輪、ブレスレット、ネックレスなど種類も豊富なハワイアンジュエリー。購入予定がある方は、ぜひ「自分の大好きなハワイ語」を調べておくのを忘れずに!
知っておきたい!ハワイ語には素敵なワードがこんなに
ポジティブな意味を持つハワイ語の言葉たちをご紹介!
Mahalo(マハロ)
ありがとう、という意味があるハワイ語。街の看板やショップ内などで見かけることも多く、アロハに次いで使われる言葉かもしれません。ていねいに言う場合は「Mahalo nui loa(マハロ ヌイ ロア)」=「ありがとうございます」と使います。ローカルは普段からとてもよく使う言葉なので耳にする機会も多いはず。笑顔が似合う、いい言葉ですよね。
E komo mai(エ コモ マイ)
「ようこそ」や「いらっしゃいませ」の意味。英語のWelcomeと同じように使われます。ハワイは観光地でもあるので、旅行者を歓迎するという意味がこめられています。空港やホテル、レストランなどでこの言葉を見かけることも多いでしょう。
A hui hou(ア フイ ホウ)
「また、お会いしましょう!」というハワイ語。「さようなら」ではなく、再会を願う、優しさとを感じるさよならではなく、また会いましょう!のようなポジティブな意図が感じられる言葉です。英語の「See you again」と同じように使われます。飛行機のアナウンスで聞いたことがある、という人もいるのでは?
Hauʻoli(ハウオリ)
「楽しい!」「ハッピー!」という意味の言葉。その他に、「喜ばしい」「嬉しい」といった意味も持っている、とても前向きなワードです。ちなみに「Hauʻoli Lā Hānau!」は「お誕生日おめでとう!」。ハワイの人や、ハワイ好きなお友達へのお祝いのカードにさらりと書いてお祝いしてみては?
Lea lea(レア レア)
「楽しく・愉快に」といった意味合いを持つ言葉。Lea(レア)だけで、喜びや幸福、楽しみの意味があり、重ねて使うことでさらに意味を深めることができます。また、緊張をほぐすために「気楽にいこう!」という意味で使うこともあるようです。
Maika’i(マイカイ)
「美しい・健康・元気な」という言葉。「素晴らしい!」「順調な」という意味もあり、とてもポジティブで素敵な言葉です。ハワイ語にはこういった「いい言葉」がたくさんあるので、ぜひ覚えてさらりと使ってみたいですね。
Mino’aka(ミノアカ)
「笑顔」を意味するハワイ語。ハワイの人たちにとって、笑顔で暮らすことはとても重要で尊いこと。たしかに、ハワイでは子供も大人も、太陽のように明るい笑顔が印象的ですよね。フラを踊るダンサーも、常にハワイの自然や歴史に敬意を払い、笑顔を大切にしていると言います。だからこそ、この「ミノアカ」という言葉自体からも、前向きでやさしい意味を感じられるのかもしれません。
癒やし・愛を感じるハワイ語たち
Lino(リノ)
「輝く」「光る」「まぶしい」といった意味を持つ言葉。「奇跡」という意味もあるそうで、優しくキラキラと素敵なことが起こるイメージを思い起こさせる、とてもいい言葉です。「絆」や「結びつく」がこめられた言葉でもあるようです。
Pono(ポノ)
ポノとは「すべてのことが本来あるべき正しい状態」であるということを指します。自然のすべてはもちろん、人間関係や精神状態も調和がとれた状態である、というとてもハワイらしい大切な言葉。そこから、「正直さ・思いやり」という意味をもつ言葉としても知られています。
ポノがなくなった状態をもとに戻し、「正しい方向に導く」という意味を持つのが、ホオポノポノ(Hoʻoponopono)。すべてのものを、バランスのとれた状態へ戻すことで、安定し癒やされた状態になることを意味するそうです。たとえば一日の終りに、気持ちを落ち着けて自分の精神状態を落ち着ける時間も、ホオポノポノと言えるかもしれませんね。
Mana(マナ)
ハワイで「奇跡・生命力」といった意味を持つ特別な言葉。ハワイでは古来より、超自然的またはエネルギーや奇跡の力、といった特別なパワーが信じられており、それは「マナ」と呼ばれてきました。
マナは、自然界にも人間にも、そして言葉自体にも宿ると言われています。自分を取り巻くいろいろなことに感謝しつつ、ハワイのマナを感じて癒やされる時間を生活に取り入れられたら素敵ですよね。
Kai(カイ)
海を表すハワイ語がカイ。海という感じは音読みで「カイ」なので、日本人にもなんとなく馴染みやすい言葉ですよね。ちなみに、モアナサーフライダー,ウェスティン・リゾート&スパ,ワイキキビーチの名前にも入ってる「Moana(モアナ)」は、太平洋や大西洋など世界の「大洋や海洋」を意味します。
どちらも海に囲まれたハワイの人々が大切にし続けてきた言葉で、癒やしのイメージもあり、様々な地名や固有名詞にも多く用いられています。ぜひ覚えておきましょう。
‘Ohana(オハナ)
ハワイにおいて「家族」を意味する言葉。しかし、ただ単に「家族(ファミリー)」を表すだけではなく、古代ハワイにおいては生活単位でもあった、とてもベーシックで重要な考え方のハワイ語です。
現在も、血縁関係のみに縛られず、生活共同体やコミュニティーを「オハナ」と呼ぶことも。お互いにサポートしあう、ハワイならではの特別な概念として根付いています。
※「オハナ」についての詳細はこちらでもチェックを!
成功、勝利に関係するハワイ語とは
Lanakila(ラナキラ)
「勝利」「打ち負かす」という意味を持つ言葉。穏やかな南国ハワイでも、様々な戦いの場があります。現代では、ビジネスや生活の中において、成功を目指すときに、自分たちを鼓舞する意味で使われることも。
Holomua(ホロムア)
「成功」、「前進」を意味する言葉。走るという意味の「holo」と前方を意味する「mua」が組み合わされたものです。前へ向いて走って行くことが成功へつながる、というメッセージでもありますね。力強いハワイ語に背中を押してもらえば、新しいことに挑戦できるかも!
ハワイ語に込められたメッセージ
素敵な意味を持つハワイの言葉たち
ハワイの人々が昔から大切に紡ぎ続けてきた独自の言葉、ハワイ語。単なる言葉ではなく、ハワイの歴史や文化、人々のライフスタイルなどを表現しています。その単語のひとつひとつに、先人たちが残してきた深い意味があり、学べば学ぶほど奥深い魅力に満ちています。
そして、その言葉は現在にもしっかり美しく受け継がれ、生活の中でも生かされています。上記で説明してきた言葉たちの他にも、日常で多く見かけるハワイ語がたくさんあります。
現代に生きるハワイ語は今と昔をつなぐ架け橋
たとえば「子供」を表す「ケイキ」は、レストランなどの「ケイキメニュー」として良くみかけます。「海側」を表す「マカイ」、山側を表す「マウカ」は、建物の海側、山側を表す際にそれぞれ「マカイサイド」「マウカサイド」などと呼ばれることも。
子供の名前や、プロジェクト、会社の名前に、愛や慈しみの意味を込めて素敵なハワイ語が使われることも多く、その素晴らしさが歴史とモダンな生活の架け橋になっているように感じます。「ハワイ語 いい言葉」を学ぶことで、ハワイでの時間をより豊かなものにしていただければ嬉しいです。