Updated: September 1, 2024
ハワイ好きな方、そしてコーヒー好きな方なら馴染みの深い「コナコーヒー」。ハワイ島西部の「コナ」と呼ばれる地域で栽培される、高品質のコーヒー豆です。
ハワイを代表する「名産品」の一つであり、ハワイ土産としても人気の高いコナコーヒー。その名前はよく耳にするけれど、実際どんなコーヒーなのでしょうか?今回は、コナコーヒーの歴史や種類、美味しい飲み方などについてご紹介します。
そもそも「コナコーヒー」とは?
世界三大コーヒーのひとつに挙げられる特別さ
コナコーヒーは、ブルーマウンテン、キリマンジャロとともに「世界三大コーヒー」のひとつに挙げられる特別なコーヒーです。その品質の高さと希少価値の高さから、世界中で注目されています。
栽培には手間と時間がかかり、育てられる場所も限られているため生産量が極端に少ないこと。さらに、手摘み作業などにかかる人件費も他の生産地に比べて高いため、ほかのコーヒーに比べて価格は高くなりますが、それだけの価値があるスペシャルなコーヒー。
だからこそ、多くの人々に愛され続けているのです。
アメリカでコーヒーを商業用栽培しているのはハワイだけ
じつは、アメリカ合衆国の中で、コーヒーを商業ベースで生産しているのはハワイ州が唯一であること、ご存知でしたか?
こんなにコーヒーを消費するイメージの国なのに、ハワイ州以外での商業生産がないなんて、少し意外に感じる方も多いのではないでしょうか。その理由は、ハワイの恵まれた気候と歴史が関係しています。
コナコーヒーの味わいの特徴
コナコーヒーの味わいは、はっきりめの酸味と、フルーティーな甘み・まろやかさが特徴です。雑味や苦味はあまりないのにコクが深めで、後味はさわやかに感じる方が多いようです。
焙煎は、ミディアムローストからシティローストが最適です。
ホワイトハウスでも飲まれる逸品
ちなみに、ホワイトハウスでの晩餐会でもコナコーヒーが振る舞われることがあります。アメリカ合衆国の大統領も堪能するコナコーヒー、その味わいはアメリカはもちろん世界中のコーヒー通に愛されているのです。
コナコーヒーの歴史
ルーツはブラジルから持ち帰った苗木
ハワイ王朝時代だった1825年、カメハメハ2世と一緒にイギリス・ロンドンを訪れた関係者が、その帰路にブラジルからコーヒーの苗を持ち帰ったのが「ハワイのコーヒー」の最初だと言われています。当初、持ち帰られた苗はオアフ島マノア地区のボギ農園に植えられ、その後ほかの島へと広がりました。
1828年、ハワイ島で初のコーヒー栽培開始
コーヒーがハワイ島のコナエリアで栽培され始めたのは1828年のこと。当初は観賞用としてハワイ島へ持ち込まれたとも言われますが、その火山灰を含んだ肥沃な土壌がコーヒーの生育に適していたため、その後ハワイ島での栽培が拡大していきました。
コナコーヒーの産地
ハワイ島コナ地区にある「コナコーヒー・ベルト」
コナコーヒー農園が集中しているのは、ハワイ島コナ地区。フアラライ山、マウナロア山の西側の斜面にあたります。標高は250〜800m程度と決して高くはないのですが、火山灰の影響で栄養分が豊富であり、水はけがよく気温も温暖ながら、昼と夜の寒暖差が大きい…などの理想的な条件を兼ね備えていたのです。
世界的にも類をみない、コーヒー栽培にとって理想的なこの地域には、大小のコーヒー農場がいくつも誕生していきました。通称「コナコーヒー・ベルト」と呼ばれるパラニロード、ノース・コナロード沿いには、現在も多くのコナコーヒー農場や直営店などが集まっています。
日本でおなじみの、あのコーヒー農場も!
日系移民が始めた農園も多く、「UCC」や「ドトールコーヒー」など日本でもおなじみのコーヒー農園があります。旅行者が見学できる場所もあるので、ハワイ島へ行かれた際にはぜひ立ち寄ってみてください。
コナコーヒーの選び方(等級・ブレンド)
品種はアラビカ種が定番
現在「コナコーヒー」と呼ばれるコーヒー、豆の品種としてはアラビカ種のグァテマラ・ティピカ(コナ・ティピカとも呼ばれる)という品種が定番とされています。最近は、違った品種の豆も登場していますが、その等級(グレード)はハワイ州農務局の規定(欠点豆の含有量、豆の水分量、生豆の色、豆の大きさ)に則って検査され、しっかり守られています。
高級な順から「エクストラ・ファンシー」、「ファンシー」、「No.1」、「セレクト」、「プライム」とランクが付けられ、それにより価格も変わってきます。「プライム」に満たない低い等級と判断されたものは、コナで栽培されていてもコナコーヒーを名乗ることを許されない規則になっています。
ハワイ州政府がコナコーヒーの品質を厳格に守っているのは、それだけコーヒーがハワイにとって大切なものだという証でしょう。
希少な「ピーベリー」は風味が格別
また、1つのコーヒーの実に種子が1つしか入っていない単粒の丸豆は「ピーベリー」と呼ばれ、とくに貴重とされています(通常は1つの実の中に生豆が2粒入っています)。
本来2つの豆に分けられるべき栄養素が1粒に凝縮されるため、その風味が増すとも言われており、愛好家も多い希少なピーベリー。販売価格も高くなりますが、特別な日の一杯にいかがでしょう。コーヒー好きならぜひ飲み比べてみたい逸品です。
「コナ・ブレンド」は100%コナコーヒーではない?
いわゆるストレート・コナコーヒーとは、規定を満たしたコナコーヒー100%のコーヒー豆のことです。コナの農園でていねいに育てられた上質な豆のみを使うため、コナコーヒー本来の風味や旨味をじっくり楽しむことができます。
対して「コナ・ブレンド」と呼ばれるのが、ほかのコーヒー豆をブレンドしたコナコーヒー。ハワイ州の法律では、全体の内容量に対してコナコーヒーを10%以上使用している場合にのみ「コナ・ブレンド」の表示ができると定められています。
希少なコナコーヒー100%のものに比べ、リーズナブルに楽しむことができます。ただしコナコーヒーの味わいを楽しみたいなら、豆の配合割合をしっかりチェックすることをおすすめします。
「コナ・ブレンド」=「コナコーヒー」ではないことを、頭に入れておきましょう。
自宅でもコナコーヒーを美味しく楽しむには
カップ1杯なら約10gのコーヒーを
ハワイの想い出とともに持ち帰った、希少で高価なコナコーヒー。自宅でも、最大限にその美味しさを引き出して楽しみたいものです。ハンドドリップの場合、あわてずゆっくりと香りを抽出するのがコツ。使用するサーバーやコーヒーカップは最初に温めておきましょう。
コーヒーの分量は、カップ1杯につき約10gが目安。ペーパーフィルターにコーヒーの粉を均等に入れ、熱すぎない80〜90度くらいのお湯を少量注いでコーヒーの粉が膨らむのを待ちます。その後、ゆっくり円を書くようにドリッパーに注いで抽出していきます。できれば口が細くなった専用ケトルを使うのがベストです。
コーヒー豆は鮮度も大切
できれば豆の状態で購入し、淹れる度にグラインダーを使って挽くのが理想です。香り立つ贅沢な時間をゆったり楽しんで。焙煎後のコーヒー豆は鮮度も大切なので、なるべく早めに飲むようにしましょう。
ハワイでこそ、絶対飲みたいコナコーヒー
一粒ずつ手摘みされるこだわりコーヒー
このように長い歴史と人々の努力、そしてハワイ州政府の手厚い管理と検査体制によってそのクオリティを守られているコナコーヒー。今でもコーヒーの実は一粒ずつ手摘みされ、ていねいに選別、焙煎されて私達のもとへと届けられています。
ハワイのお洒落カフェで、その魅力を体験しよう
最近はとくに、こだわりのコーヒーを楽しめるカフェが増えてきたハワイ。厳選したコナコーヒーを提供するカフェも多くなったきた中、とくに人気なのがホノルル・コーヒーです。
ワイキキにもいくつか店舗があり、シェラトン・ワイキキやモアナサーフライダーにもお洒落なカフェがあるので、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
ハワイが誇る、香り高きコナコーヒー。心地よい酸味とまろやかな口当たり、やはりハワイの風の中で味わっていただきたい…。カフェによってはオリジナルのフレーバーコーヒーなどもあり、お好みで選ぶのも楽しいものです。
ハワイ・コナコーヒーの特別な魅力、ぜひたっぷりお楽しみあれ!